ZEHを建てるなら、Q値、C値、Ua値を深く知ろう

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ZEHの基本知識~断熱~

Q値、C値、Ua値
深く知ろう

ZEH住宅に該当するかどうかのカギを握るのは、大きく分けて2つあります。省エネの実現と、創エネ設備の設置です。省エネの実現に欠かせないのが、Q値・C値・Ua値です。
ここでは、ZEH住宅の建築で重要となる3つの数値について解説しています。ZEH住宅の建築にお役立てください。

Q値とは?

Q値は熱損失係数であり、「熱の逃げにくさ」を表す数値となります。Q値が小さくなるほど断熱性が高くなり、冷暖房効率が良い住宅であると言えます。次世代省エネルギー基準が設定された当初はQ値・C値が用いられており、住宅の断熱性能を判断する材料として重宝されていました。

省エネルギー基準が改正され、断熱基準としてUa値が採用されていますが、現在でもQ値は快適な住宅性能を示す指針として活用されています。地域区分1~2のUA基準値0.40W/(m2・K)の場合、Q値の目安は1.4W/m2・K前後です。

Q値の算出法

■Q値=(各部の熱損失量の合計+換気による熱損失量の合計)÷延べ床面積

O値は、各部の熱損失量の合計と換気による熱損失量の合計を足した数を、延べ床面積で割ることで算出できます。出てくる数値は建物の内外の温度を1度と仮定したとき、1時間でどのくらいの熱量が建物外に逃げるのか示したもの。屋根・天井・壁・床といった各部の断熱性能を調べた後、換気によって逃げる熱も考慮して計算式に当てはめる必要があります。

C値とは?

C値は相当すきま面積を指しており、「家のすき間の量」を数値化できます。C値が低いほどすき間が少なく、高気密な家であると言えるでしょう。次世代省エネルギー基準では地域区分1~2で、C値が2.0W/m2・Kと定められていました。より気密性が求められるZEH住宅であれば、C値は1.0付近であることが望ましいと言えます。

C値の算出法

■C値=住宅全体のすき間の合計面積(単位は平方センチ)÷延べ床面積(単位は平方メートル)

C値は1平方メートルあたりに存在するすき間の面積を示す数値で、住宅全体のすき間の合計面積を延べ床面積で割って求めます。省エネ性を高めるのであれば、すき間面積にも気を配ることが大切です。熱が逃げにくく、効率よく室内温度を保てるZEH住宅を目指しましょう。

Ua値とは?

Ua値とは外皮平均熱貫流率で、「熱量の逃げやすさ」を表す数値です。値が小さいほど断熱性能が高いと判断でき、ZEH基準として採用されている数値となります。地域区分1~2は0.4W/(m2・K)、地域区分3は0.50W/(m2・K)、地域区分4~7は0.60W/(m2・K)以下に抑える必要があります。

参照元:【PDF】:国土交通省「住宅性能表示制度の見直しについて」:https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/content/001460573.pdf

Ua値の算出法

■Ua値 = (各部の熱損失量の合計) ÷延べ外皮面積

Ua値は、建物の中と外の温度を1度と仮定したときに、建物外へ逃げる時間当たりの熱量を外皮面積(外皮=天井、壁、床、窓等)の合計で割ると求められます。

夏期日射取得係数μ値とは?

上記以外の数値で重視したいのはμ値で、夏の日射熱の入りやすさを示す数値です。値が小さいほど日射熱が入りにくくなり、冷暖房効率が高まります。次世代省エネルギー基準では地域区分1~2が0.08W/(m2・K)、地域区分3~5が0.07W/(m2・K)、地域区分6が0.06W/(m2・K)以下と定められていました。ZEH住宅では、上記よりもμ値を抑える必要があります。

μ値の算出法

■μ値=建物に侵入する日射量÷延べ床面積

μ値は、建物に侵入する日射量を延べ床面積で割ると算出できます。夏の暑い日差しを遮り、冬の暖かい日差しを取り入れるZEH住宅を建てると、年間を通して光熱費を抑えられるでしょう。

まとめ

Q値・C値・Ua値は、住宅の断熱性能を判断するための重要な数値です。中でもUa値は、ZEH基準で採用されているため、建築会社が公表している数値を確認しておくと良いでしょう。ZEH住宅の建設を積極的に対応している会社をエリアごとにまとめているのでこちらもチェックしてみてください。

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