ZEHの断熱とは?
ZEH(ゼロエネ住宅)と認定されるためには、高断熱による省エネと、太陽光発電による創エネの2つをクリアする必要があります。両方とも大切なのですが、家づくりにおいてとくに注意しておきたいのが高断熱による省エネ。というのも、省エネ実現のために窓の大きさや空間デザインなどを制限されることが少なくないからです。
ZEH(ゼロエネ住宅)を建てる際に知っておきたい、断熱に関する基本的な知識を解説していくので、これからZEH(ゼロエネ住宅)を建てようと考えている人は、ぜひ参考に目を通してみてください。
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断熱
vs 大きい窓不可能ではないが両立は難しい
ZEH住宅で大きい窓を採用するのは至難の業です。熱移動が盛んに行われる場所であり、年間を通して窓から約5~7割の熱が出入りします。窓を大きく設けると、熱放出量・流入量が多くなることに。室温を一定に保つのが難しくなります。断熱性能を考慮すると、窓には断熱性の高いトリプルガラス・樹脂サッシを使用したうえで、設置箇所にも気を配ることが大切でしょう。とはいえ、景色を楽しむために窓を大きく設けるなら、高性能な窓の採用はもちろん、日射遮蔽を考えて配置してください。
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ハイスペック断熱材選び
種類を知って賢く選ぶ
ZEH基準を満たすためには、高性能な断熱材を選びましょう。高気密・高断熱にできる素材を採用すると、ヒートショックの予防にもなります。ZEH住宅は地域区分よってUA値(住宅の熱の逃げにくさ)が決められており、寒冷地である北海道ではUA値を0.4W/(m2・K)以下に抑える必要があります。高断熱な断熱素材としてよく採用されているのは、高性能グラスウール。不燃材であり、熱伝導率が低いことから、ZEH住宅にも採用されています。素材選びももちろん大切ですが、断熱性を高めるには施工力のある会社を選ぶことが大切です。地域密着型の気候に合わせた住まいづくりを行う会社で、かつZEH住宅づくりの実績が豊富な会社に相談してみましょう。
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Q値、C値、
Ua値を
深く知ろう断熱性能の基準となる数値
ZEH基準ではUA値が採用されていますが、省エネルギー基準の改正前はQ値・C値が使用されていました。UA値は外皮平均熱貫流率で、熱量の逃げにくさを表します。Q値は熱損失係数といって、熱量の逃げにくさを表すことに関してはUA値と同様ですが、考慮する設備や計算方法が異なるもの。各部の熱損失量や換気による熱損失量の合計値を延べ床面積で割った数値のため、内外の温度差が1度である際に1時間あたりに逃げてしまう熱量を把握することができます。また、C値は家のすき間の量を指しており、高気密な住宅かどうかの判断材料として役立つでしょう。住宅の性能を示すために、さまざまな数値を提示しているハウスメーカーや工務店が多いので、どの数値が何を表しているのか把握しておくと有利になります。
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断熱性の
評価基準
HEAT20とは?ZEHよりも厳しい断熱基準
HEAT20は、断熱基準として用いられているものです。HEAT20G1・G2・G3の順に、断熱基準が高く設けられています。基準値にはUA値が採用されていて、ZEH基準よりも断熱基準が厳しく設定されているのが特徴的です。地域区分による基準のUA値は異なりますが、北海道ではG1で0.34W/(m2・K)以下、G2で0.28W/(m2・K)以下、G3で0.2W/(m2・K)以下に抑える必要があります。ZEHよりも断熱性の高い住まいを目指せる評価基準のため、コストや用途に応じてHEAT20の基準を満たす住宅を検討すると良いかもしれません。