大きな窓のZEH住宅は不可能?
ZEH住宅で大きな窓を設けることはかなり難しく、現実的ではありません。実は住宅で熱移動が最も盛んに行われる場所は、窓だと言われています。夏には窓から約50~70%の熱が流入し、冬は窓から約50~60%の熱が流出します。壁・床・天井には断熱材が入っているのに対し、窓には断熱材が入っていません。単板ガラスや複層ガラスよりも断熱性能を高めた「トリプルガラス」も登場していますが、外壁・屋根・床・換気から流入・流出する熱量よりも多くなっています。
どうしても大きな窓を取り付けたいのであれば、設置箇所や設置数を考慮したうえで、断熱性能の高いトリプルガラス・樹脂サッシを導入するのが得策です。ただし、トリプルガラス・樹脂サッシは、単板ガラスや複層ガラスよりも重く、コストもかさむため注意しましょう。
大きな窓のZEH住宅を実現するために
高性能な窓を採用する
ZEH住宅を実現するには、上述したようにトリプルガラス・樹脂サッシを採用することをおすすめします。一般的にガラスが1枚の窓を単板ガラス、ガラスが2枚の窓を複層ガラス、ガラスが3枚の窓をトリプルガラスと呼びます。トリプルガラスは、ガラスとガラスの間に空気層が2層できるのでより断熱性能が高い窓です。複層ガラスよりも比較的断熱性能が高いと言われています。また、樹脂サッシもアルミサッシの約1000分の1の熱伝導率を誇り、外の熱の影響を受けにくくなるメリットがあります。
日射遮蔽を考えてつくる
ZEH住宅を建てるには、日射遮蔽を考慮して設計することが大切です。夏の熱い日差しを遮り、冬の日差しを取り入れる住まいに仕上げると、1年を通して快適に過ごせるようになります。夏は約70度、冬は約40度で日差しが届くため、夏の高い日差しは軒や樋で防ぐと良いでしょう。外気温の影響を受けにくい日射遮蔽を考えたZEH住宅ならば、設置数や設置場所にもよりますが、窓が大きくてもZEH基準をクリアできる可能性が高まります。
ハイスペックな素材と業者選び
ZEH住宅で開口部を大きく設ける場合は、住宅全体の断熱性能を高められる、質の高い施工業者を選びましょう。断熱材にこだわっている施工業者を選ぶことで、窓の大きいZEH住宅を実現できる可能性があります。特に、地域密着型の施工業者がおすすめです。
というのも、ZEH住宅は、建てるエリアによって基準が異なります。地域で豊富な実績を持つ施工業者であれば、地域の特性に沿った提案をしてもらえるでしょう。