ZEHの課題
ZEHロードマップでは、ZEHを普及させるために解決しなければならない課題を大きく2つ定めています。
それは、「一般への認知度の向上」と、「ZEHを建築/購入する費用の削減」です。
国や民間企業がいくら普及させたくとも、まず認知されていなければ、住宅購入希望者に対してイチから啓蒙していかなければなりません。基本的には受け身の形となってしまい、ZEHの普及という目標を達成するには非効率です。したがって、一般消費者が能動的に建築(または購入)したくなるように、ZEHのメリットを広く認知させることが課題となるわけです。
また、いくらZEHにメリットがあるといっても、それが手の届く範囲の価格でなければ、普及には至りません。ZEHの建築・購入費用を下げる、というのも、解決しなければならない課題となります。
エネルギーの考え方
ZEHロードマップでは、エネルギーの自給自足を大きな目標としています。そのためには、住宅の省エネ性能を高め、さらにエネルギーを作り出せる設備の導入が必要です。
ZEHロードマップでは、ZEHの条件として、想定される消費エネルギー量を住宅性能だけで20%以上削減し、さらに80%以上を太陽光発電等で賄うことが定められています。これにより、消費エネルギーが正味ゼロ以下になる住宅が、ZEHとなります。
ZEHロードマップの目的は、エネルギー需給の安定にあります。化石燃料依存の現状を脱するためにも、自前でクリーンエネルギーを創りだし、かつエネルギー効率の高い住宅が求められているというわけです。
ZEHの目標
ZEHを普及させる目的は、各住宅で省エネ・創エネを実現し、エネルギー的に自立させることによって、エネルギー需給の安定を図ることです。そのための具体的な目標が、国のエネルギー基本計画(2014年4月閣議決定)に定められています。
・2020年までに、標準的な新築住宅でZEHを実現
・2030年までに、新築住宅の平均でZEHを実現
以上の2つです。
国はこの目標を達成するために、専門知識を持った大学教授やハウスメーカー・工務店各社の担当者を構成メンバーとするZEHロードマップ検討委員会を設置。ZEHの具体的な定義や評価方法、普及のためのさまざまな方策の立案等を促しています。
ZEHの普及方法
ZEHロードマップには2つの課題があります。ZEHの認知度を高めることと、建築・購入費用を削減することです。
この2つの課題の解消が、ZEHを普及させるうえで欠かせない要因となります。ZEHロードマップでは、そのための方策として、国と民間事業者にいくつかの方策が示されています。
以下が、その主な方策です。
・定義を確立したうえで、状況に合わせて調整
・建築補助(2017年度以降は必要に応じて限定的な延長)
・中小工務店等のノウハウ確立
・ZEH広報/ブランド化
・ZEHの標準仕様化
・自主的なデータ収集・進捗管理・定期報告