ZEHとスマートハウス、どちらを選んだ方がお得?

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ZEHとスマートハウスの違いとは?
どちらを選ぶべき?

ZEHとスマートハウスはどちらも省エネ住宅のひとつの形ですが、ZEHは住宅で使うエネルギーの全てを自宅でまかなうことができ、スマートハウスよりも進化した省エネ住宅だと言えるでしょう。そう考えるとZEHを選んだ方が良いと考えがちですが、ZEHを選ぶことにもデメリットは存在します。こちらでは、この両者のメリットとデメリット、受けられる補助金、どちらを選ぶべきなのかということについてご紹介しています。

ZEHとスマートハウスの特徴を
知ってよりお得な選択を!

省エネ住宅を建てようと考えたときに、まず候補となるのが「スマートハウス」でしょう。 ですが、より進化した省エネ住宅の形として、「ZEH」というものもあります。ZEHとスマートハウスを選ぶなら、一体どちらを選んだ方がお得なのでしょうか。こちらでは、この両者の特徴やメリット、デメリット、ZEHで受けられる補助金などについてご紹介しています。

ZEHとスマートハウスの違いとは?

ZEHとスマートハウスの最大の違いは、「エネルギーをゼロ以下にできるかどうか」ということです。スマートハウスは、蓄電池や太陽光発電などで作ったエネルギーを、IT技術を利用して、自宅で賢く使うことができる「省エネ志向の家」のこと。
省エネ志向という点ではZEHも同様ですが、ZEHではさらに「年間の消費エネルギーを自宅で全てまかなえる」という点が特徴です。環境省のZEHの定義については、次のように説明がされています。

外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅

出典:環境省『平成30年度のZEH(ゼッチ)関連事業(補助金)について』

この定義を見ると、スマートハウスはエネルギーを賢く使う住宅、ZEHはさらに省エネ効果を高くして、消費エネルギーの全てを自宅で作れる住宅、という違いとなるでしょう。

スマートハウスのメリットとデメリット

メリット

1.高い省エネ効果でコストを削減

スマートハウスでは、「HEMS」という電力管理システムを利用することで、常にエネルギーの消費量を知ることができ、毎日の節約につながります。また、HEMS自体にエネルギーを節約する機能がついていて、消灯、優先度の低い部分の電力節約などが自動で行われます。

2.家全体が暖かく体に優しい

スマートハウスでは省エネ効果を高めるために、断熱性が高く、家全体が暖かいという特徴もあり、急激な温度変化による体への負担や、「ヒートショック」などの血圧の急激な変動を防ぐこともできます。

3.災害などの備えに役立つ

さらに、自宅でエネルギーを生成できるということは、災害などで電力が供給されない緊急時の備えとしても役立つでしょう。

デメリット

導入時のコストが高くなる

デメリットと考えられることは、導入時にコストがかかるという点です。ただし、エネルギーを節約することができる点を考えれば、長期的に見てお得になる可能性が高くなります。

ZEHのメリットとデメリット

メリット

1.スマートハウスより高いコスト削減率

スマートハウスのメリットに加えて、スマートハウスよりもコストの削減につながる点です。スマートハウスではエネルギーを賢く利用することはできますが、使用エネルギーをゼロにできるという訳ではありません。その点、ZEHは全てのエネルギーを自宅でまかなえるため、スマートハウスよりもコスト削減率が高くなるでしょう。

2.余った電力を売電できる

また、場合によっては、エネルギーの生成量が消費エネルギー量を上回る可能性もあります。この場合はエネルギーが余ることになるので、電力を売ることで収支のプラスを期待することもできるでしょう。

3.政府からの補助金が充実している

さらに、現在ZEHは政府によって推奨されている住宅の形なので、補助金が充実しており、導入時のコストが抑えられるという点もメリットのひとつです。

デメリット

導入時のコストが高くなる

補助金を受け取ったとしても、普通の住宅よりも導入コストが高くなるという点です。太陽光発電システム、高機能な設備などを導入する以上、導入コストが高くなることは避けられません。

ZEHの補助金について

環境省、国土交通省、経済産業省の3省では、「2020年までに新築の半数以上をZEHにする」ことを目標としています。そのため、ZEHへの支援や補助金は充実しており、現在は導入しやすい時期だと言えるでしょう。ZEHの補助金についてまとめてみます[1]。

1戸につき70万円の補助金
  • ZEHの要件を満たす住宅の新築と改修を行った場合。
  • ZEH相当の集合住宅の新築と改修を行った場合。
1戸につき90万円の補助金
  • ZEHの要件を満たし、低炭素化素材を既定の量以上使用した場合。
  • 再エネルギー熱利用技術を活用して住宅を建てた場合。
30万円までの別途補助金

蓄電池1kWhにつき3万円を別途支給。
※平成30年度時点
「低炭素化素材」というのは、直交集成板とセルロースナノファイバーのことです。これらの補助金を見てみると、最大で120万円までを受け取ることができます。

まとめ
長期的な節約が見込める省エネ住宅は検討の余地あり

ZEHとスマートハウスについてご紹介してきました。どちらも導入コストが必要になりますが、光熱費が必要なくなるというメリットが大きいもの。さらに、今なら政府からの補助金も充実しているので、導入を検討する余地は十分にあるでしょう。

ただし、補助金の支給対象となるのは、「ZEHビルダー」として登録された業者のみ。ZEH住宅を新築する際には、対象となる業者なのかを確認しておかなければいけません。また、新しい住宅の形であるZEHに慣れていない業者がいることにも注意しながら検討してください。

[1]参考:(PDF)環境省『ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)化等による住宅における低炭素化促進事業(経済産業省・国土交通省連携事業)』[PDF]

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