長期優良住宅と低炭素住宅の違い
認定基準
長期優良住宅
断熱等性能等級「4」をクリアしなければいけない。また、耐震性や可変性などに加えて、メンテナンスや修繕履歴なども求められる。
低炭素住宅
長期優良住宅と同じく、断熱等性能等級「4」をクリア。さらに一次エネルギー消費量等級は5をクリアすることが必須。選択的項目として、低炭素に関係する設備の導入など。
優遇制度
長期優良住宅
所得税、登録免許税、不動産取得税、固定資産税で優遇あり
低炭素住宅
所得税、登録免許税で優遇あり
長期優良住宅が、省エネ性能や断熱性など総合的に長く住める家ということを認定した制度であるのに対して、低炭素住宅は省エネに特化した住宅だということがわかります。
また住宅ローンの「フラット35s」は両方ともに適用されますが、「フラット50」は長期優良住宅にのみ適用が許された住宅ローンです。

長期優良住宅とは
長期にわたり良好な状態で使用するための構造や設備を搭載した家
家は長い間住んでいると、大なり小なり劣化があり、修理をしたり建て替えをしたりする必要が出てきます。それによって廃棄物がたくさん出てしまい、環境への負荷がかかることに。その負荷を減らすために最近増えているのが長期優良住宅です。
丈夫な家をつくることで、修理や建て替えを減らし、環境への負荷を軽減します。さらにかかる費用の削減にもつながり、それによって国民の住宅に対する負担を軽減。環境にも家計にも優しい家づくりを目的としています。

長期優良住宅の条件
長期優良住宅には、以下の9つの条件があります。
構造躯体などの劣化対策
数世代にわたって、住宅の構造躯体が使用できること。
耐震性
地震に対し、継続して利用するための改修を容易にするため、損傷のレベルの低減を図ること。
維持管理・更新の容易性
構造躯体と比較して、耐用年数が短い内装や設備について、維持管理を簡単に行うために必要な措置がとられていること。
可変性
住む人のライフスタイルに応じて、間取りの変更が可能なこと。
高齢者等対策
将来、バルアフリーに対応できるよう廊下などに充分なスペースが確保されていること。
省エネルギー対策
省エネルギー性能が確保されていること。
居住環境
地区計画や景観計画など、それぞれの地区内で決まりがある場合は、それに従っていること。
住戸面積
住む人の人数によって必要な規模であること。(階段部分の面積を除く1階の床面積が少なくとも40平方メートル以上であること)
維持保全計画
建築の段階から、将来のことを考えて、定期的な点検や補修に関する計画が立てられていること。

長期優良住宅のメリット
税金が優遇されるというメリットも
当たり前ですが、長期優良住宅にすることによって、その名の通り長い間良好な状態で家を使用できることが1つのメリットとして挙げられます。
また2つ目のメリットとして挙げられるのが減税効果があること。一般住宅と比較して、住宅ローンの減税や登録免許税・固定資産税などが節税の対象に。家計にも大きなメリットがあると言えます。
しかし長期優良住宅にすることによって、建築コストがかかってしまったり、手続きに費用がかかってしまったりということもあるため、注意が必要です。

低炭素住宅とは
二酸化炭素排出の削減を推進できる家
低炭素住宅は、東日本大震災後の2012年9月に公布された新しい認定制度です。2020年に改正される省エネ基準に先駆けてできた制度で、改正省エネ基準よりも一次エネルギーの消費量をさらに10%削減する必要があります。
従来の省エネ基準では、その家が建つ環境条件が違っても性能の良い断熱材を使っていればそれが評価の対象となっていました。しかし低炭素住宅の考え方は、その家ごと合った省エネをしているかということが評価対象となります。

低炭素住宅の条件
省エネルギー性に関する基準
省エネ法の省エネ基準と比較して、一次エネルギー消費量がマイナス10%以上となること。
その他の低炭素化に資する措置に関する基準
・HEMSの導入…エネルギー使用量の見える化により、居住者の行動を促進する取り組み
・節水対策…節水型機器の採用など、節水に関する取り組み
・木材の利用…木材など低炭素化のための材料を使用
・ヒートアイランド対策…敷地や屋上の緑化などヒートアイランド抑制の取り組み

低炭素住宅のメリット
高い省エネ性能が最大の魅力
私たちが低炭素住宅にして受けられるメリットの1つ目は、電気やガス消費が抑えられ光熱費の節約になるということ。さらに低炭素住宅は、断熱性能が高く、部屋ごとの温度差がなくなることによって、ヒートショックの心配も軽減できます。
また2つ目のメリットとして、税金が安くなることが挙げられます。低炭素住宅を増やしていく取り組みとして、様々な税金がお得に。さらに住宅ローンの「フラット35s」で優遇金利を受けることもできます。金銭面でのメリットも非常に大きいといえるでしょう。
