ZEHには6種類ある
ZEH(ゼッチ)
2015年に経産省で規定されたZEHのスタンダードな基準であり、2030年には新築戸建住宅で義務化される見通しとなっています。条件としてはまず、再生可能エネルギーを除いた一次エネルギー消費量が省エネ基準と比べて20%以上削減されており、かつ再生可能エネルギー等の導入によって消費する一次エネルギーを100%削減していること。
その上で、省エネ基準のUA値を上回る「外皮強化基準」に適合していることが求められます。求められるUA値は地域によって違いがあり、北海道や東北の一部などが該当する地域区分1・2ではUA値0.40以下。東北の一部にあたる地域区分3ではUA値0.50以下。それ以外の地域区分4~7ではUA値0.60以下が求められます。
ZEH +(ゼッチプラス)
文字通り、上記のZEHに求められる基準を上回る基準となり、さらに省エネ性能を強化した住宅という位置づけになります。まず再生可能エネルギーを除いた一次エネルギー消費量が省エネ基準比で25%以上削減。また外皮性能も地域区分1・2でUA値0.30以下。地域区分3ではUA値0.40以下。地域区分4~7ではUA値0.50以下が求められます。
その上でさらに、HEMSを設置することにより、住宅内の冷暖房や給湯、太陽光発電、蓄電池や、電気自動車の充電設備などの計測を可能とすること。あるいはEV充電用コンセント、ケーブル付き普通充電設備、V2H充電設備などの電気自動車用の充電設備または充放電設備を設置すること。以上のいずれかが求められます。ちなみにこれらの双方をクリアしている場合、前述の外皮性能は免除されます。
Nearly ZEH(ニアリーゼッチ)
こちらはZEHのスタンダード基準をやや緩めたものとなり、適用対象も都市部狭小地または多雪地域(積雪100センチ以上)の建築地の住宅に限定されます。対象の住宅では太陽光発電の発電量が限られてしまうために、条件を緩和する措置がなされました。
条件としてはまず、再生可能エネルギーを除いた一次エネルギー消費量を省エネ基準比で20%以上削減。かつ再生可能エネルギー等の導入で、住宅が消費する一次エネルギーを75%削減していること。加えて外皮性能はスタンダードZEHと同じく、地域区分1・2でUA値0.40以下。地域区分3ではUA値0.50以下。地域区分4~7ではUA値0.60以下が求められます。
Nearly ZEH +
上記のNearly ZEHの条件をより高め、省エネ強化を狙ったものになります。まず、再生可能エネルギーを除いた一次エネルギー消費量を省エネ基準比で25%以上削減。外皮性能は地域区分1・2でUA値0.30以下。地域区分3ではUA値0.40以下。地域区分4~7ではUA値0.50以下が求められます。
その上でZEH +と同じく、HEMS設置によって、住宅内の冷暖房や給湯、太陽光発電、蓄電池や、電気自動車の充電設備などの計測を可能とすること。あるいはEV充電用コンセント、ケーブル付き普通充電設備、V2H充電設備などの電気自動車用の充電設備または充放電設備を設置すること。以上のいずれかが求められます。なお、これらの双方をクリアしている場合、前述の外皮性能は免除されます。
ZEH Oriented(ゼッチ・オリエンテッド)
こちらも適用対象が都市部狭小地または多雪地域(積雪100センチ以上)の建築地の住宅に限定されたものになります。太陽光発電の発電量が限られてしまうことへの配慮として、まず2018年に都市部狭小地に、次いで2020年に多雪地域にも認められました。
条件としてはまず、再生可能エネルギーを除いた一次エネルギー消費量を省エネ基準比で20%以上削減。外皮性能は、スタンダードZEHと同じ数値となっており、地域区分1・2でUA値0.40以下。地域区分3ではUA値0.50以下。地域区分4~7ではUA値0.60以下が求められます。
次世代ZEH+
名称が示している通り、ZEH+の条件をクリアした上で、さらに以下の中から、ひとつ以上を導入することが求められます。
- ・太陽光発電システム(10kW以上)
- ・太陽熱利用温水システム
- ・燃料電池
- ・蓄電システム
- ・V2H充電設備(充放電設備)
まとめ
ZEHは単一化されたものではなく、実に複雑で奥が深いです。ZEHの種類により地域が限定されていたり、求められるUA値が異なるなど、お住まいの地域によって異なります。補助金の種類や申請についても然り。それゆえに、ZEHでマイホームを建てる際には、ZEHビルダーに認定されている事業者に相談することをお勧めします。また、本サイトでは、ゼロエネ住宅(ZEH)を建てるのに役立つ情報をまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。