ZEHとエアコンの関係

ZEHを省エネから考える

空調

ZEHを実現するためには、消費するエネルギー量を削減する省エネが重要となってきます。省エネの工夫によって使うエネルギー量を減らせば、売電に回せる余剰電力も増えます。
節約だけでなく、ちょっとした収入増につながるなど、省エネによって様々なメリットが期待できるわけです。
省エネに最も効果的なのがエアコンなどの冷暖房機器。地域や気候にっても変動はありますが、一般家庭で最も電力の消費量が多いのは、冷暖房機器です。

人気が高いルームエアコン。選び方とは

エネルギー消費効率のAPF値が6.5クラスが基準

ZEHに設置するエアコンは、「平成29年 ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業(ZEH)要領」によると、建築研究所のホームページで公開されている「エネルギー消費効率(冷房効率)区分」の(い)を満たす機器でなければいけないという決まりがあります。(※参考URL:https://sii.or.jp/zeh29/)

*表 A.1エネルギー消費効率の区分

  • (い) 当該住戸に設置されたルームエアコンディショナーの冷房定格エネルギー消費効率が、当該住戸に設置されたルームエアコンディショナーの定格冷房能力の区分に応じて表 A.2 を満たす場合。
  • (ろ) 当該住戸に設置されたルームエアコンディショナーの冷房定格エネルギー消費効率が、当該住戸に設置されたルームエアコンディショナーの定格冷房能力の区分に応じて表 A.3 を満たす場合。
  • (は) 上記(い)若しくは(ろ)の条件を満たさない場合又は機器の性能を表す仕様が不明な場合。

*表 A.2区分(い)を満たす条件

  • 定格冷房能力の区分 定格冷房エネルギー消費効率が満たす条件
  • 2.2kW以下 5.13以上
  • 2.2kW超2.5kW以下 4.96以上
  • 2.5kW超2.8kW以下 4.80以上
  • 2.8kW超3.2kW以下 4.58以上
  • 3.2kW超3.6kW以下 4.35以上
  • 3.6kW超4.0kW以下 4.13以上
  • 4.0kW超4.5kW以下 3.86以上
  • 4.5kW超5.0kW以下 3.58以上
  • 5.0kW超5.6kW以下 3.25以上
  • 5.6kW超6.3kW以下 2.86以上
  • 6.3kW超 2.42以上

(※引用URL:http://www.kenken.go.jp/becc/documents/house/4-3_20140117.pdf)

「定格冷房エネルギー消費効率」とは一定条件の下で運転した場合の消費電力1kWあたりの冷房能力を表したものです。値が大きければ大きいほど省エネ性が高いことを示しています。

値は以下の計算式によって求められます。

  • 定格冷房エネルギー消費効率(COP)=冷房能力(kW)÷冷房消費電力(kW)
  • 以上のことを踏まえて上記の表を見てみると、ZEHに設置できるエアコンの条件を割り出すことができます。

    たとえば冷房能力が2.2kWのエアコンの場合、条件を満たすには冷房消費電力が約0.428kW以下の機種でなければなりません。
    ただ、COPは冷房と暖房で数値が異なってしまうこと、実際に年間を通してエアコンを利用した場合のエネルギー消費効率と差があることなどが問題点となっていました。

    そのため、2006年9月に省エネ法が改正された際、COPに代わる省エネ性能指標として新たに通年エネルギー消費効率(APF)が省エネの基準値として採用されました。
    APFは日本工業規格(JIS)によって定められた「JIS C 9612」という規格に基づいた運転環境のもと、1年間エアコンを運転した場合の運転効率を示すものです。より現実的な使用環境のもとに計測されているため、同じ機種でもCOPの場合とエネルギー消費効率の値が異なってきます。

    一般的にはAPF値が6.5クラスのエアコンであれば、省エネ効果が期待できると言われています。

    APF値が6.5クラスのエアコンを解説

    APFは冷房のみに焦点を当てたCOPとは異なり、計算式に使用する能力の値や消費電力量は冷房と暖房を合わせたものとなっています。

    具体的なARFの計算式は以下の通りです。

    APF=1年間に必要な冷暖房能力の総和(kWh)÷期間消費電力量(kW)

    6.5以上の条件に当てはまるには年間の冷暖房能力の総和が1630kWh以上、期間消費電力量が250kW以下のエアコンでなければなりません。

    この条件を満たすには各メーカーが発売している機種の中でもかなり高価格帯のものを選ばなければならないでしょう。

    断熱性・気密性の高い家のリビングにAPF値が6.5クラスのエアコンを1台導入すると、今まで各部屋つけていたエアコン無しでも快適に生活できるということも。家の性能、エアコンの性能をどちらも高めることで大きく省エネ効果が高まり、電気代の節約につながります。

    床暖房の役割
    昨今はヒートポンプにも注目
    床暖房は、ZEHにとって重要な役割を果たすため、住宅会社のZEHのプランの中には、全室床暖房完備が標準仕様となっている会社もあるほどです。エアコンや

「エネルギー消費効率のAPF値」に注目すべき理由

エアコンにおける省エネルギーの2つの指標、COPとAPF

環境問題が地球全体で取り沙汰される中、エアコンをはじめとする家電製品に関しても、省エネルギー化がますます要求されています。そして、省エネルギーに関する目標値が必要となり、その指標となったのが、COP(エネルギー消費効率)とAPF(通年エネルギー消費効率)です。

一見すると似たようにみえますが、この2つの数値の信用度は大分異なり、注目すべきなのはAPFであるといえます。ここでは双方について説明し、その理由をあげたいと思います。

COP(エネルギー消費効率)とは?

COPは、「成績係数」「成長係数」とも呼ばれており、Coefficient Of Performanceの頭文字です。

1kW電力を使ってエアコンを運転した際の冷房・暖房効果がどれくらいかを示す数値であり、製品のパンフレット、カタログにもよく記載されています。

COPには、冷房効果を示す冷房COPと暖房効果を示す暖房COPの2種類があり、それぞれ異なります。

COPの求め方

冷房COP、暖房COPは、冷房能力、暖房能力を冷房消費電力で割ることで求められ、式にすると以下のようになります。

  • 冷房COP=冷房能力(kW)÷冷房消費電力(kW)
  • 暖房COP=暖房能力(kW)÷冷房消費電力(kW)

つまり、そのエアコンが使用する冷房消費電力に対し、何倍の能力を発揮するかということが求められます。例えば冷房COPが2だったら、消費した電力に対し、2倍の能力が発揮できるエアコンであるということです。

COPの問題点

COPには2つの問題点が指摘されています。

1つは、冷房、暖房とで数値が異なってしまうことです。そのため、多くのメーカーは、冷房、暖房双方の平均値を出し、「冷暖房平均COP」として示しています。

もう1つは、決定的な問題点と言えますが、COPの数値は温度環境によって変化してしまうことです。エアコンの消費電力は、室温・外気温に大きく左右されます。例えば、同じ場所、同じ季節であっても、その日によって室温・外気温が異なるので、当然消費電力も異なってきます。そのため、どんな場合でも記載されているCOPが示すような能力が発揮できるわけではありません。よって、どんな家庭でも、どんな場所でもそのCOPがあてになるというわけではないのです。

APF(通年エネルギー消費効率)とは?

APFはAnnual Performance Factorの頭文字をとったもので、日本語にすると「通年エネルギー消費効率」です。

APFの数値が高ければ高いほど、省エネルギーなエアコンだということが分かります。

APFは2006年9月に改正された「省エネ法(エネルギーの使用の合理化に関する法律)」により、COPに代わる省エネルギーの基準値として、公式に定められました。

COP(エネルギー消費効率)と比較すると、APF(通年エネルギー消費効率)はより実際にエアコンを使用した際に近い数値であり、その信用度は高くなります。

APFの算出では、建物用途や使用期間が設定されており、その上でのエアコンの運転効率が示されます。

具体的には、「東京地区にある木造住宅の南向きの洋室、冷房については6月2日から9月21日、暖房については10月28日から4月14日、時間帯は6時から24時までの18時間、外気温度が24℃以上では冷房、16度以下では暖房使用」といった実に細かい設定がされており、各メーカーがこの条件下でエアコンを実際に使用して数値を算出しているのです。

このように、一定の環境下でという前提のある数値であるため、その数値はCOPより正確であり、参考になると言えます。

2018年現在ではほとんどのメーカーがAPFを採用しており、COPはほとんどありません。

ただ冷房能力5.0 kW(16畳)以上の場合は、COPで記載されていることもあるようなので、検討する際はAPFとCOPを混同しないように気をつけましょう。

APFの求め方

上記に記載した通り、あらかじめ定められた一定の条件下、使用期間は1年間として、まず消費された電力の数値「期間消費電力」を求めます。その後、1年間で必要とされるエネルギーの量を「期間消費電力」で割ることで、求めます。

以下がその計算式です。

通年エネルギー消費効率(APF)=1年間で必要な冷暖房能力の総和(kWh)÷期間消費電力量(kWh)

エアコン購入の際はAPFを必ずチェック

その算出方法によって、事実に即したかなり正確な数値といえるAPF。電気代の節約になりますので、今後エアコンを購入する際はこの値を必ずチェックすることをお勧めします。

参考:「定格冷房エネルギー消費効率の区分

床暖房の役割

昨今はヒートポンプにも注目

床暖房は、ZEHにとって重要な役割を果たすため、住宅会社のZEHのプランの中には、全室床暖房完備が標準仕様となっている会社もあるほどです。エアコンやファンヒータの場合、暖められた空気は上昇し、温度の低い空気は下の方にたまってしまうため、体は暖かいのに足元は冷えているという状態になってしまいます。

床暖房の場合、足元から温めることができることができ、冷え性の方でも快適に過ごすことができます。

また温風がでることによって起こってしまう肌の乾燥や、室内の建具や家具などへの悪影響も防ぐことができます。空気はいつもきれいに保てるため、お子様やお年寄り、ペットがいるご家庭でも安心です。

最近注目されているのが、ヒートポンプを用いて部屋を暖める温水式電気床暖房。電気ヒートポンプで空気の熱を活用して暖めるため、とても効率が良いのが特徴です。高効率給湯器のエコキュートなら、1台で床暖房にも対応しているものもあります。

オール電化を導入している場合は、昼間の電気料金が高いため、電気ヒーター式床暖房よりも効率の良いヒートポンプ式温水式床暖房の方が電気料金がお得になります。

まとめ
ZEHの性能を最大化するためにも空調は重要

ZEHの恩恵を受けるためには、やっぱり空調にもこだわる必要があります。高断熱・高気密の家をつくったとしても、エネルギーの消費量が多くなってしまうと意味がありません。

また、気密性の高い家は冷暖房の効率が良いというメリットがある反面、汚れた空気が室内にたまってしまいがちというデメリットもあります。このデメリットも、使用する空調によって改善することができるため、その点も考慮して選ぶと良いでしょう。