ZEH対象の空調設備とは

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ZEHを省エネから考える

空調

ZEH住宅の実現には、エネルギーの消費量を削減することが重要です。省エネ設備を取り入れるなど、エネルギー効率を見直せば、売電に回せる余剰電力も増えます。節約・売電収入の増加に繋がり、浮いた費用を他の用途に使用できるように。

ここでは、省エネ設備の中でも積極的に取り入れたい「空調」について紹介しています。一般家庭で電力消費の大部分を占める冷暖房機は、慎重に検討しましょう。

ZEH対象エアコンの条件

HEMSで制御できる高効率エアコンが基準

ZEHに設置するエアコンは、「令和4年 ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業(ZEH)要領」によると、以下の2点を満たすエアコンが条件として設定されています。

  • ・制御対象となる各設備とHEMSコントローラ間において、それぞれの相互確認を必須化されているプロパティに対応した機能を通信制御できること。
  • ・設置するHEMSコントローラのAPPENDIX ECHONET機器オブジェクト詳細規定のReleaseバージョンは、Release D以降であること。
  • ・通信制御対象の各設備においてHEMSコントローラによる操作を可能にするECHONET Liteプロトコル対応のアダプターが分離されている場合は、当該アダプターの設置が必須。

以前の基準であったエネルギー消費効率(APF値)にも注目

以前は建築研究所のホームページで公開されている「エネルギー消費効率(冷房効率)区分」の(い)を満たす機器でなければいけないという決まりがありました。「定格冷房エネルギー消費効率」とは一定条件の下で運転した場合の消費電力1kWあたりの冷房能力を表したものです。値が大きければ大きいほど省エネ性が高いことを示しています。

■(い)を満たす条件

  • 定格冷房能力の区分 定格冷房エネルギー消費効率が満たす条件
  • 2.2kW以下 5.13以上
  • 2.2kW超2.5kW以下 4.96以上
  • 2.5kW超2.8kW以下 4.80以上
  • 2.8kW超3.2kW以下 4.58以上
  • 3.2kW超3.6kW以下 4.35以上
  • 3.6kW超4.0kW以下 4.13以上
  • 4.0kW超4.5kW以下 3.86以上
  • 4.5kW超5.0kW以下 3.58以上
  • 5.0kW超5.6kW以下 3.25以上
  • 5.6kW超6.3kW以下 2.86以上
  • 6.3kW超 2.42以上

ZEH対象エアコンの一覧

ZEH基準を満たす各メーカーのエアコンを紹介しています。

パナソニック

・EXシリーズ Eolia
畳数:6畳・8畳・10畳・12畳・14畳・18畳・20畳・23畳・26畳・29畳用、APF:5.0~7.2
部屋の空気やエアコン内部を清潔に保つナノイーX搭載のモデル。夏は素早く涼しく、湿度をみながら快適な室温へと導いてくれます。

ダイキン

・うるさらX
畳数:6畳・8畳・10畳・12畳・14畳・18畳・20畳・23畳・26畳・29畳用、APF:5.0~6.8
エアコンを運転しながら室内の換気が行なえるシリーズ。外気の水分を取り込むことで、冬でも無給水でうるおいを届けてくれる優れものです。省エネルギー性も高く評価されています。

三菱

・霧ヶ峰FZシリーズ
畳数:14畳~29畳、AFP:5.6~7.8
避暑地である長野県霧ヶ峰高原の風を研究してつくられた高性能エアコン。効率よく風を届けるプロペラファン構造が採用されており、高い省エネ性能を持っています。電気を帯びた水のミストで有害物質の動きを抑制する機能がついている機種も。

日立

・白くまくん
畳数:6畳・10畳・12畳・14畳・18畳・20畳・23畳・26畳・29畳、APF:5.2~7.5
熱交換器・排水トレーの自動お掃除機能がついているモデル。菌や匂いの抑制になるのが嬉しい魅力です。AIが搭載されており、人の位置を考えながら効率的に風を送ってくれます。

東芝

・大清快 K-DRシリーズ
畳数:8畳・10畳・14畳・18畳・20畳・23畳・26畳、APF:5.5~7.1
(い)の基準を満たしているモデルです。UV除菌ユニットが搭載されていて、エアコン内を清潔に保ってくれます。8畳・10畳・14畳モデルはAPFが7.0以上と、省エネ性も高くなっています。

富士通

・ノクリア Xシリーズ
畳数:6畳・8畳・10畳・14畳・18畳・20畳・23畳・26畳・29畳用、APF:5.1~6.7
温度と速さの違う2種類の気流をコントロールすることで、効率的に部屋の温度を調整できる「ハイブリット気流」を搭載したモデル。お湯を使用して、熱で除菌する機能もあり、エアコン内部を清潔に保ってくれます。6~20畳用まではAFP6.0以上と、年間を通してエネルギー効率が良い機種です。

まとめ

光熱費の大半を占める冷暖房費を削減するには、エネルギー効率の良い空調設備を取り入れることが大切です。HEMSに対応していて、次期省エネ基準であるAFP6.6を目安に、冷暖房設備を導入してみましょう。住宅の性能によっても、細かな基準が異なったりするので、ZEHや省エネ住宅を手掛ける住宅会社に相談するのがおすすめです。