ZEH住宅に必須の太陽光発電設備とは

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ZEHを創エネから考える

太陽光発電

ZEHでは、太陽光発電システムの設置が補助金交付の必須条件です。家庭でのエネルギー消費量を相殺するには、省エネだけでは不十分で、エネルギーを創ることが必要不可欠となります。太陽光による「創エネ」は光熱費の節約になるほか、燃料となる原油や樹木といった環境の保護にも繋がります。
ここでは、ZEH基準を満たす太陽光発電設備について紹介します。

ZEH対象に必要な太陽光発電の容量は?

ZEH基準を満たすには、年間の消費エネルギー量を、省エネ設備と創エネで相殺する必要があります。家庭での電力消費量によって、ZEH基準を満たす太陽光発電システムの容量は異なります。

設備や断熱性能でエネルギーを20%以上削減する必要があるため、残り8割のエネルギー使用量を創エネルギーで補わなければなりません。仮に、残りの8割のエネルギーが4,000kWhであれば、4kWh以上の太陽光発電システム(創エネ設備)が必要です。

地域差も大きいが4~6kWがボリュームゾーン

家庭でのエネルギー消費量は人数やライフスタイルに応じて異なり、地域差も大きく、環境省のデータによると北陸・中国・四国の年間電気消費量が多くなっています。

平成28年のZEH補助金申請では、6kW未満が最も多く、4~6kWがボリュームゾーン。一般的な住宅の屋根面積を考えると、4~5kWが妥当な容量だと考えられます。

4kWhの発電量でどのくらい節約になるか?

4kW搭載することで、年間に発電できる電気量は4,000kWh~4,500kWhです。原油に換算すると18リットル缶で2.3缶、樹木(10mの杉)では約4本分が節約できる計算になります。

CO2の排出量も1kWhあたり約650gの削減に繋がるため、年間で約2,600kgを削減できるでしょう。

太陽光発電設備が無くても「ZEH」?

「Nearly ZEH」は、断熱性・省エネ設備で一次エネルギーを20%以上削減したうえで、残りのエネルギ―を再生可能エネルギーで約75%以上相殺できる住宅を指します。基本的には太陽光発電設備が必要ですが、必ず設置しなくてもZEH認定を受けることができます。

それが「ZEH Oriented」「Nearly ZEH」に分類されるZEH住宅です。「ZEH Oriented」は都市狭小地の2階以上の住宅で、「Nearly ZEH」は寒冷地・低日射地域・多雪地域の住宅を指します。屋根の面積や日射量によって十分な発電量が得られないため設置が免除されるというもの。設備が導入できない一部地域のみ適用となるため、対象になるかどうかは事前に確認が必要です。

太陽光発電設備の設置で受けられる補助金

太陽光発電の補助金は各市町村が設定しているため、エリアによって細かな条件や金額に差がある場合があります。主要都市の例をまとめているので参考にしてみてください。

補助金額 条件
北海道
(札幌市)
・太陽光発電1kWあたり 2万5,000円 ・既設又は新設の蓄電設備(定置用蓄電池、又はEV〔電気自動車〕)と接続すること。
※定置用蓄電池と接続する場合には、当該補助対象機器の定置用蓄電池の要件を満たしていること。
※EVと接続する場合にはV2H充電設備があることが条件。「V2Hヴィークル・トゥ・ホーム)充電設備」とは、電気自動車等と住宅との間で相互に電力を供給することができる設備のこと。
・太陽光モジュールの出力の合計が1.5kW以上であること。
・発電した電気を全量売電せず、少なからず自家消費していること。(余剰型配線であること。)
・北海道電力ネットワーク株式会社の電力系統に連系できること。
・未使用品であること。(中古品は補助対象外)
東京都
(北区)
・太陽光発電1kWあたり 8万~9万6,000円 ・一般財団法人電気安全環境研究所による太陽電池モジュール認証を受けたもの、又はそれに準じた性能を持つと区が認めるもの。
・太陽電池の公称最大出力またはパワーコンディショナの定格出力が10kW未満であること
愛知県
(名古屋市)
・太陽光発電1kWあたり 2万~3万円 ・市内の既存住宅に新たに設備を設置すること。
・太陽電池モジュールを既存住宅の屋根に設置すること。野立ての太陽光発電設備は対象外です。
・太陽光発電による電気が、当該太陽光発電設備が設置される住宅において消費されること。
・太陽光発電設備に係る配線方法が余剰分を逆潮流する配線であること(全量を逆潮流する配線でないこと。)。
・未使用品であること。移設されたもの又は同一設置場所で過去に電力会社と系統連系されたものは対象外です。
大阪府
(堺市)
・太陽光発電1kWあたり 2万円 ・市内の戸建住宅または集合住宅に自ら居住する個人(EV・FCVのリースの場合は、リース事業者との共同申請となります。)
・市内の賃貸集合住宅の所有者
・市内の分譲集合住宅の管理組合の代表者、集会所又は地域会館に係る自治会等の代表者
福岡県
(福岡市)
・50万円+20万円以内 ・長期優良住宅の普及の促進に関する法律第6条にもとづく認定を受けていること(ただし、耐震等級3を確保していること)
・一戸建ての木造軸組工法であること
・使用する木材のうち70パーセント以上を県内加工材とし、かつ県産木材を5立方メートル以上使用すること
(県産木材とは、福岡県産木材供給体制推進協議会の県産木材認証事業体又は福岡県産木材供給連絡協議会が発行する証明書があるものを言います。)
・住宅性能表示基準に基づく高齢者配慮対策等級3を確保すること
・フレキシブル性(間取りの可変性等)又は3世代に対応できる間取りのいずれかを確保すること
・省エネルギー設備として住宅全体に熱交換型換気システムを設置し、又は創エネルギー設備として太陽光3kw以上若しくはエネファーム0.4kw以上を設置すること。
まとめ

太陽光発電設備は、一次エネルギーの消費量を賄うために必要な設備です。自治体によっては補助金が交付されるため、設置費用を削減できます。ZEH住宅の建設事例が多い会社であれば、利用できる補助金や対象になるための太陽光発電システムの選び方までアドバイスをもらえることがあります。太陽光発電の設置を検討している人は、住みたいエリアのZEH住宅会社もセットで調べてみましょう。

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