どうなる?ZEH震災シミュレーション

ゼロエネ住宅とは?
どうなる?
ZEH震災シミュレーション

万が一震災が起きた場合、普通の住宅と比べてZEHにはどのようなメリットがあるのでしょうか。
じっさいにどういった状況となるかは、その時になってみないとわかりません。しかし送電等のインフラが打撃を受けた際、エネルギー的に独立しているZEHであれば、少なくとも電力の確保は見込めます。
また、水についても、完備している設備によっては、ある程度の量を確保できているはずです。
確実にこうなる、というものではありませんが、ここでは災害時にZEHに期待できる事項をかんたんにシミュレーションしてみたいと思います。

一般住宅にはない災害時のZEHの魅力

  1. 自立した発電設備により家電等を動かすことができる

    ZEHには、省エネと創エネ、両方の機能が求められます。省エネは断熱性や気密性で実現するため、平時は快適に過ごせますし、災害の時にも過酷な外部環境に晒されなくて済みますが、基本的には過ごしやすい、電気代を節約できるといったメリットしかありません。

    創エネとゼロエネ住宅について

    ゼロエネ住宅(ZEH)にすることで、災害時、具体的には下記のような違いがあります。

    一般住宅
    ・住宅構造

    夏は暑く冬は寒いので自宅で生活できないことも。熱中症や風邪などのリスクあり

    ・家電

    長く使用しているものだと電力消費量や水の使用量が多いため、普段の電気代はもちろん、電力供給が抑制されることもある災害時には不便。

    ゼロエネ住宅(ZEH)
    ・住宅構造

    国を挙げて省エネに取り組んでいる成果もあり、10年ほど前の家電と比べると電気代がかなりお得になるように作られています。

    ・家電

    照明器具:LEDにすると85%OFF
    エアコン:10年前と比べて9%OFF
    温水便座洗浄機:11年前と比べて33%OFF
    テレビ:8年前と比べて65%OFF
    電気冷蔵庫:9年前と比べて43%OFF

    電気の供給量が削減されても自家発電でプラスマイナスゼロでカバーすることが可能です。

    (参考:「日本のエネルギー2014」経済産業省資源エネルギー庁、
    省エネ製品買換ナビゲーション しんきゅうさん」環境省、
    省エネルギーについて」経済産業省資源エネルギー庁)

    一方の創エネは、文字通り住宅自身が太陽光発電等によって電力を作り出すというものです。もし災害などで断線してしまっても、発電設備を自立運転モードにすれば、住宅で使用する電力を確保することができます。天候に左右される部分はありますが、晴天であれば最低限の生活を送れるだけの電力は期待できます。

    もちろん、それだけで生活を賄えるわけではありません。しかし設備さえ動けば、災害直後の過酷な負担をある程度軽減できるはずです。

    創エネとゼロエネ住宅について

    ゼロエネ住宅(ZEH)にすることで、災害時に下記のような違いがあります。

    一般住宅
    ・停電時

    暖房・冷房・照明などの電気製品が使えない。照明をつけられないことで怪我につながることも。避難所暮らしを余儀なくされることも。

    ・電力供給抑制時

    使える電力量が限られているので使う家電の数が限られる場合も。快適に過ごすことが難しい

    ゼロエネ住宅(ZEH)
    ・停電時

    太陽光発電による自家発電可能。省エネ家電を用いることで数日自宅でも過ごすことが可能

    ・電力供給抑制時

    自家発電を自宅用に用いることで快適に過ごせる。元々の電力消費量も少ないため、電力供給抑制の影響を受けにくい。電磁調理器やエコキュートを設置しておくことで、お湯や調理も可能になる。

    参考:平成22年7月20日「ヒートポンプ給湯器の現状について」経済産業省商務情報政策局情報通信機器課
    ご存じですか?省エネ効果が高い家庭用ヒートポンプ給湯器『エコキュート』の仕組みと特徴について」環境省

  2. エコキュートで水の確保ができる

    ZEHには、省エネのための設備としてエコキュートという電気給湯器が設置されることが少なくありません。エコキュートは、夜間にタンクへ貯湯し、沸き上げを行って随時給湯するという仕組みを持っています。

    ガス給湯器と違い、タンク内にお湯を蓄えているため、災害などで万が一断水してしまった場合でもそこから水をくみ上げて使うことができます。

    災害時の水は貴重です。水分補給のためというのはもちろん、生活のさまざまな場面で水が活用されています。たとえばトイレひとつとっても、水がなければ満足に使うことができません。

    エコキュート内の水にも限りはありますが、それでも数日の猶予は確保できます。ある程度時間があれば、状況を整理して、どう行動すべきか方針を固めることができるはずです。

    災害時のエコキュートの働きについて

    一般住宅の場合:災害時の常備水はせいぜい数十リットルが限度。水道水の供給がストップすると給水地点に毎回並んで水を確保する必要があります。季節や天候によっては並ぶだけでも大変なこともありますし、1リットル当たり1キログラムある水を運ぶのは、女性や年配者にはかなり大変な場合もあります。

    ゼロエネ住宅など、エコキュートを設置している住宅の場合:エコキュートは標準(4人家族用)で370~460リットルのお湯を貯めておけます。通常は割安な夜間電力を利用してお湯を沸かして貯蔵しておく仕組みですが、水道が止まっても何日かはタンクの水を家庭で使用できるので安心です。飲用水としても使用可能です。

    このように、エコキュートを設置しておくことで、災害時でもお湯や水を備蓄しておくことが可能です。災害発生から数日はしのぐことができるので、その後の方針を固めるまでの間、自宅で過ごすことも可能です。

    ガス 調理・給湯がガスの場合、両方ともストップ。調理に関しては携帯用ガスコンロがあれば代替可能 エコキュートを使用していれば、災害時もお湯を使用可能。電磁調理器は停電時も自家発電の範囲内で使用可能。

  3. 断熱性能が高く過ごしやすい

    災害時は、とにかく身体を健康な状態に長く保つことが大切です。

    特に災害時は精神面のストレスがかなり大きく、体調を崩しやすいため、体だけでもバランスを保っておく努力が必要です。

    人の身体は温度変化によって免疫力が大きく左右されますから、たかが暑さ・寒さと軽く見ずに、しっかり対策をとっておくことが大切です。そういった意味では、ZEHが持つ断熱性・高気密性は災害時にも有用と言えます。

    断熱性・気密性が高く過ごしやすい、というのは、ZEHと一般住宅との大きな違いです。とくに寒冷地の冬場などは、屋内であっても凍えてしまうほどの寒さとなることが少なくありません。ZEHは高い外皮性能により、家全体の温度・湿度をなるべく一定に保ってくれます。もちろん外気の影響も受けますが、一般住宅と比べれば、その違いは歴然です。

    家にいても危険がない、ということが前提ですが、ZEHは仮の避難所として十分な機能を備えていると言えるでしょう。

    住宅の断熱性能について

    ZEH、通称ゼロエネ住宅ともいわれる住宅は、外壁や屋根などの外と中の境目部分に高断熱な素材を使用したり高断熱な仕組みになっています。また、効率のいい省エネルギーな設備を備えることで、年間の一次エネルギー消費量がゼロかそれ以下になる住宅のことをいいます。

    ZEHとには、資源エネルギー庁が定めた4つの基準全てに適合すると認められます。4つの基準のうち、断熱性能に関わる基準は、下記のようになります。 「強化外皮基準(1~8地域の平成 25 年省エネルギー基準(ηA値、気密・防露性能の確保等の留意事項)を満たした上で、UA値 1・2地域:0.4[W/㎡K]相当以下、3地域:0.5[W/㎡K]相当以下、4~7地域:0.6[W/㎡K]相当以下)」

    UA値:外皮平均熱貫流率のことで、数値が小さいほど性能が高いことを表しています。主に壁や屋根、床に求められる性能の一つです。

    ηA値:平均日射熱取得率のことで、数値が小さいほど日射熱の侵入を防ぐことができることを表しています。主に窓に求められる性能の一つです。

    これらのUA値やηA値が低いほど、断熱性能が高い住宅、ということになり、災害時も外気の影響を受けることが少なく、省エネで過ごすことができるため、夏や冬でも比較的快適に過ごすことが可能になります。

    参考:平成27年12月「ZEHとは」経済産業省 資源エネルギー庁 省エネルギー対策課
    平成27年12月「ZEHロードマップ検討委員会 」経済産業省 資源エネルギー庁 省エネルギー対策課

まとめ
災害時に電力・水分を確保できるのがZEHと一般住宅との違い

電力を確保できる太陽光発電設備や、水を確保できるエコキュートは、災害時の備えとして非常に心強いものです。ZEHだからといってこれらの設備が必ず設置されているというものではありませんが、標準的な設備であることは間違いありません。

また、断熱性能が高く、過ごしやすい、というのも、災害をしのぐためには欠かせない要素です。たんに省エネや節約ができるだけでなく、防災機能も優れているというのも、ZEHの特徴の1つと言えます。

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