ZEHとHEMS

ZEHを省エネから考える

HEMS(ヘムス)はZEH住宅の性能を
最大限に引き出すシステム

ZEHを導入した住宅を建てる際にはHEMSについても知っておきたいところです。ZEHにHEMSを導入すれば、更にZEH住宅の省エネ性能を高めることができ、大幅な節約に繋げられる可能性があります。こちらでは、HEMSの特徴、導入することの具体的なメリット、補助金などの情報をご紹介していきます。

HEMSは電気を「見える化」して
省エネ性能をアップ

HEMSとは、「Home Energy Management System」のことで、「ヘムス」と」読みます。

HEMSは優れた省エネ性能、地球温暖化対策性能を持っているシステムで、自動的に電気やガスなどの使用量を管理し、それらが使用されている場所や量を数字で表示させることができるのです。

そのため、電気やガスをトータルで管理し、どんなところで、どの程度使われているのかリアルタイムで知ることができます。また、家電製品を自動的に制御する機能、遠隔操作する機能もついてるため、住宅全体の家電製品を一括で管理することが可能となります。

電力自由化がさらにエネルギー節約を後押し

エネルギーのコントロールで安価な電気料金を実現

HEMSに大きく関わってきているのが電力の自由化。今まで供給されるものを使用することしかできなかった電力ですが、現在では、電力自由化によって消費者で選択することができるようになりました。

このことにより、電気料金メニューも選択可能になり、HEMSなどでエネルギーをコントロールすることによって、電力をより安く利用できる環境が整ったのです。

HEMS導入のための補助金制度

政府が推奨するHEMSは補助金の対象に

HEMSの導入で補助金を受け取ることができるのは、現在、HEMSの導入が国から強く推奨されているためです。内閣官房の国家戦略室からは、「グリーン政策大綱」というものが公表されており、「2030年までにHEMSを全世帯に普及」させることが目標です[1]。また、HEMSはZEHの中心となる重要なシステムであるため、国のZEH普及にも大きく関わっています[6]。

国から支給されていた補助金

HEMSの補助金は、「一般社団法人 環境共創イニシアチブ」という団体を通して、平成23年と平成25年に支給されていました。支給されていた金額は、HEMSの導入金額によって異なります。

住宅・ビルの革新的省エネ技術導入促進事業費補助金(HEMS機器導入支援事業)
適用年度補助金額備考
平成25年[3]導入金額×1/3上限額70,000円
平成23年[4]定額70,000円検定付き電力量計のついたHEMSを設置した場合は定額100,000円

環境共創イニシアチブを通した補助金は、平成25年以降は実施されていないようですが、また再開される可能性も十分に考えられるでしょう。

現在は自治体からの補助金が充実している

上でご紹介した補助金を受け取れなくなった代わりに、現在は自治体から受け取ることができる補助金が充実しています。各市区町村によって金額や条件などが異なるので、HEMS導入を検討する際には、事前に自治体に確認しておくことをおすすめします。

HEMSの導入方法

自治体からの補助金を確認したら、HEMSを導入する方法を考えなければいけません。HEMSの導入に当たって最初に決めることは、どのメーカーを利用するかということです。メーカーが決まってしまえば、後はそのメーカーの担当者が全ての作業を進めてくれます。ですが、選ぶことができるメーカーは非常に多く、間違いのないメーカー選びのためには、それぞれの特徴を知っておいた方が良いでしょう。

HEMSのメーカーとそれぞれの特徴

それでは、実際にHEMSのメーカーの特徴について見ていきます。こちらでは、代表的なメーカーをいくつか取り上げてみましょう。

パナソニック

平成30年現在、パナソニックから発売されているHEMSは「スマートHEMS」です。エネルギーを管理することによる節約に加え、家電の遠隔操作と一元管理、家族や家電の見守り機能などが実装。スマートHEMSを導入するためには、「AiSEG2」と「HEMS対応分電盤スマートコスモ」が必要で、HEMSのメインとなるAiSEGには、モニター付きとモニターなしの2種類が用意されています。

機器価格
スマートコスモ111,100円
AiSEG2モニター付き80,000円
モニターなし40,000円

参考:http://sumai.panasonic.jp/hems/ability.html

東芝ライテック

東芝ライテックのHEMSでは、次の3つのサービスを利用することができます。

フェミニティ倶楽部

クラウドで住宅全体のエネルギーを管理し、パソコンやタブレット、スマートフォンなどでエネルギーの管理をする。

SimpleHEMS

インターネットなしでエネルギーの見える化が可能で、パソコンやタブレットなどから操作を行う。

うちコネ

スマートフォンのアプリを使用して、エネルギーの管理や確認を行う。

これらの3つのサービスから選択して、HEMS対応機器を管理することになります。必要な機器はホームゲートウェイとエネルギー計測ユニットで、エネルギー計測ユニットは最大30回路の標準と、最大10回路のSがあります。

機器価格
ホームゲートウェイ30,000円
エネルギー計測ユニット標準84,800円
S48,000円

参考:http://feminity.toshiba.co.jp/feminity/index_j.html

シャープ

シャープのHEMSは「クラウドHEMS」というものです。特別な工事をすることがなく、コントローラーをタップに挿入するだけで、簡単に導入することができる点が魅力的。住宅の電力、水道、ガスなどの使用量をスマートフォンからいつでも確認できます。また、天気予報によってクラウド蓄電池を自動的に制御することができ、天候に依存しないエネルギー活用が可能です。

機器価格
JH-RTP474,000円
JH-RTP575,000円
JH-AG0148,000円

参考:http://www.sharp.co.jp/e_solution/hems/

NTT東日本

NTT東日本が提供するHEMSは、「フレッツ・ミルエネ」です。消費電力などをわかりやすくグラフ化し、創エネルギー量からの使用電力の割合を見ることができます。また、太陽光発電への対応として、売電と買電の金額を日ごとで表示し、1時間単位での収支をグラフから知ることが可能。細かくエネルギーを管理したいという方に向いているでしょう。

機器価格
サービスゲートウェイ10,000円
無線親機+分電盤計測器14,500円
USBドングル電力量計測器15,000円
スマートメーター対応5,000円

参考:https://flets.com/eco/miruene/

HEMSを導入することの7つのメリット

エネルギー管理が簡単になるHEMSですが、ZEH住宅にHEMSを導入する具体的なメリットとは何でしょうか。HEMSは節約ができるだけではなく、今まで以上に快適な暮らしを実現させるためのツールでもあります。HEMSを導入することの主なメリットを、7つ挙げてみました。

エネルギーを見える化して無駄を削減

エネルギーが消費されている量を場所や時間ごとに数字で表示してくれるため、使用量を見るだけで、エネルギーをたくさん使用している場所を知ることが可能です。エネルギーの削減が必要な場所が一目でわかり、無駄を削減しやすくなります[5]。

省エネへのモチベーションアップ

エネルギー使用量が一目でわかるようになれば、節約へのモチベーションも変わってきます。「無駄を省いて節約しよう」という、節約へのモチベーションアップに繋がるでしょう。

電気以外のエネルギーも管理できる

HEMSの管理してくれるエネルギーは、電力だけではありません。ガスや水道、電気自動車などとも連携しているので、住宅で使用しているあらゆるエネルギーの管理がひとつで行え、大幅な節約効果が期待できます。

無駄な電力を自動で削減してくれる

人為的な節約だけでなく、HEMS自身も無駄な電力を自動的に削減してくれます。電化製品をリアルタイムで管理し、必要のない部分をカットしてくれるのです。例えば、エアコンの動作を監視し、設定温度を自動的に下げてくれるなどの機能がついています[5]。

自動的に室内環境を快適に整える

HEMSはこちらが指定した設定に合わせて、家中の設備を作動させることができます。例えば起きる時間に合わせて電動窓シャッターを上げる、室内温度が一定以上ならエアコンを作動させるなど、室内環境を快適に維持するための機能もついています[6]。

外出先から家電製品の遠隔操作が可能

HEMSには遠隔操作機能がついており、スマートフォンのアプリから簡単に家電のオン・オフが行えます。帰宅前にあらかじめエアコンを作動させておく、帰宅が遅くなったときの防犯、スイッチの消し忘れなどの際に便利に使えるでしょう[7]。

ピークカット・ピークシフトで1年を通じて省エネ

ピークカットとピークシフトが行えるので、1年を通じて効率的にエネルギーの節約が可能。例えば、電力消費量の多い夏場の日中に、蓄電池に貯めてられている電力を使うなど、電力を有効に使うことが出来るようになります[5]。

HEMSを導入するデメリットとは

最大のデメリットは対応製品の少なさ

HEMSのメリットをご紹介しましたが、便利なHEMSもメリットばかりではありません。HEMSの最大のデメリットとしては、規格に対応した電化製品の少なさでしょう。

これは、HEMSの認知度がなかなか高まらないことが原因のひとつですが、選択できる家電製品に制限が出てきます。

また、費用対効果が具体的に分かりにくいという点も、デメリットだと言えるでしょう。

まとめ
今後も普及が見込まれるHEMS

知名度が高まるにつれ注目度も上がると予想される

HEMSはエネルギーを管理と節約のためには、大変便利なシステムです。ZEH住宅に導入すれば、そのエネルギー活用能力を最大限に活かすことができます。ただし、デメリットがあることも間違いありません。

HEMSは政府から推奨されているにも関わらず、未だ知名度が低い状態です。そのことが、対応家電の少なさと、費用対効果の分かりにくさに繋がっていると考えられます。

ですが、自治体からの補助金も充実しているため、これからHEMSの知名度が高まってこれば、今以上に注目される存在となるのではないでしょうか。

この記事をつくるのに参考にしたサイト・文献・脚注

[1]参考:内閣官房国家戦略室『(PDF)グリーン政策大綱(骨子)―グリーンエネルギー革命の胎動から成長へ-』

[2]参考:経済産業省資源エネルギー庁『ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)に関する情報公開について』

[3]参考:一般社団法人 環境共創イニシアチブ『平成25年度補正予算「住宅・ビルの革新的省エネ技術導入促進事業費補助金(HEMS機器導入支援事業)」』

[4]参考:一般社団法人 環境共創イニシアチブ『平成23年度「エネルギー管理システム導入促進事業費補助金」(HEMS)の公募について』

[5]参考:Panasonic『スマートHEMS : 本体でできること(省エネ支援)』

[6]参考:Panasonic『スマートHEMS : 本体でできること(快適支援)』

[7]参考:Panasonic『スマートHEMS : アプリでできること(快適支援)』